机の奥。

机の容量が大きくてその上、天板の厚みが太いのを自慢していた

　ハナクソを掘っては机の下に拭い、それがパリパリになっては

　爪で掻き落とし、次のハナクソ更新といった

　パチンコ屋のトイレの壁的なそんな思い出が詰まった机。

　今、思い出すとただ古いだけだったと小学校1年の頃を振り返る

　今から約20年以上前のこと。

　憶えていることは断片的で

　プールの時の着替え時にパンツにウンコが付いていて

　泣きながらプール嫌だとウソをこき

　なんとかウンコマンのあだ名をまぬがれた。

　本当は女子が着替えてるところを見ては

　ツンポコピンピンになって

　ウンコとピンピンのダブルアタックであったことは今だから言えること。。

　そんな思い出ともう一つ思い出すのが

　今では食えるが当時は餃子が大嫌いで少しも食えなかった。

　給食で出てはビニールに入れて持ち帰っていた。

　だが、ビニールに入れた餃子を自慢の机の中に入れっぱなしで

　持ち帰るのを忘れてしまった。

　次の日、机の中を見ると大嫌いな餃子が残っている。

　ここで餃子を出しランドセルの中に仕舞い込むところを見られたら

　何を言われるやわからん。

　子供は見たまま感じたままを口にする残酷極まりない。

　俺にはそれが耐えられなかった。

　だから。。。

　ずっと餃子いれてた。

　道具箱の奥の方にくしゃくしゃになったプリントで押し込み

　それで蓋をして

　ずっと。。ずっと。。

　オカンにも言えなかった。。

　たぶん数ヶ月ずっと。。

　みんなと楽しそうに遊んだ時も俺の机の中の奥には餃子があった。

　ドッジボール大会で優勝しても俺の机の中の奥には餃子があった。

　パンツにウンコを付けながらツンポコピンピンになっても

　俺の机の奥の中には餃子があった。

　再び餃子が給食で出てちゃんと持ち帰ったのに。。

　俺の机の中の奥にはあの餃子があった。

　本当はもう出すのが怖かった。

　できればこのまま何もなかったように2年生に上がりたい。。

　でも俺の机の中の奥には餃子が。。

　悩ましき餃子が。。

　ある日の掃除の時間に女子が俺の机を運ぼうとしてる。

　すると俺の机を倒した。

　机の中を吐き出すように倒れた。

　コレはやばい。あの悩ましき餃子が。。。

　今までガチガチに押し込んでいたプリントはあっさり外れて

　もろに餃子バレバレ。

　女子が「何コレ！」と嫌がる。

　まぁそりゃそうだ。。

　「餃子！」

　逆ギレしてやったぜ。

　　コンヌズワー　綾心です。

　食べ物は粗末にしちゃいけませんよ。